安全運転管理者とは?業務内容や運行管理者との違いを詳しく解説
2023/04/19
道路交通法施行規則により、規定の台数以上の車を所有する事業者は、安全運転管理者を配置することが義務付けられています。
この記事では、安全運転教育や自動車の安全な運行を管理し、日頃からリスクを軽減する重要な役割を果たす「安全運転管理者」について、役割や詳しい業務内容を解説。
業務効率をアップさせてくれる業務用ドラレコについてもご紹介します。
安全運転管理者の役割とは?
安全運転管理者とは、社用車を使用する事業所などで、安全運転教育や自動車の安全な運行を管理する担当者のことです。
道路交通法施行規則では、安全運転管理の責任の明確化と交通事故防止体制の確立を図ることを目的とした「安全運転管理者制度」が定められており、下記のような場合には安全運転管理者の配置が義務付けられています。
・乗車定員11人以上の自動車を1台以上所有している
・その他の自動車を5台以上所有している
(上記のいずれかに該当する場合1名の配置が必要)
また、20台以上の車両を所有する場合には、さらに副安全運転管理者1名の設置が必要となり、以降、20台ごとに1名追加での配置が義務付けられています。
運送業や輸送業だけではなく、営業車を使用する製造業やサービス業など、全ての事業者が安全運転管理者の選出義務の対象です。
1つの法人で複数の事業所を持っている場合には、事業所ごとに安全運転管理者の選任と届出が必要となります。また、事業所が同じ住所の場合も、使用者が異なる際にはそれぞれに選任と届出を行うことが定められています。
安全管理者は、下記の決められた資格を満たす必要があります。
・年齢が20歳(副安全運転管理者を置く事業所は30歳)以上
・運転管理実務経験2年以上
・公務員委員会の認定を受けている
さらに、専務や部長・課長など、事業所の従業員を指導し、車両を管理できる地位にある者が望ましいとされています。
資格要件を満たしていても、 公安委員会により解任された日から2年を経過していない者や、飲酒運転や駐車違反などの違反をした日から2年を経過していない者は、安全管理者になることができません。
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安全運転管理者の業務内容
安全運転管理者は、安全運転教育を行うとともに、点呼などで毎日運転者の状況を確認し、正常な運転ができるかどうか確認するのが重要な業務です。
また、法令遵守し業務遂行できるよう、運行計画の作成や交代要員の配置も安全運転管理者の仕事です。業務内容は多岐に渡り、大きく4つの業務に分けられます。
運行業務の管理
・運行計画の予定審査および調査
・運行計画に基づく運行の割り当て
・運行日報、タコグラフの点検と活用
・異常気象時の措置
・危険物運送の危険防止措置
・道路状況、交通事情の把握
運転者の労務管理
・運転者の勤務時間、運転時間の管理
・健康診断の実施と運転者の配置
・勤務環境の整備改善
・良好な人間関係の保持
・生活態度の指導
・運転適性検査の実施
車両管理
・運行前点検、運行後点検 の実施
・車両台帳の作成
・車両整備状況の把握
・鍵の保管と使用規制
・整備管理者との連絡
交通事故などの防止対策
・事故発生状況の把握
・事故原因の究明
・事故防止対策の樹立
・表彰、懲戒の実施
・事故防止委員会の開催
・事故多発傾向者の措置
・安全運転心得の作成
安全運転管理者と運行管理者との違い
安全運転管理者と同じように法律に基づいて安全管理を行う業務を担う者として、運行管理者という役割もあります。
両者の違いを理解できていない方も多いかもしれませんが、安全運転管理者と運行管理者との大きな違いは、運行管理者が業務用車両の「緑ナンバー」を管理するのに対して、安全運転管理者は乗用車である「白ナンバー」を管理する点です。
運行管理者の具体的な業務は、過労運転とならないようなシフトや乗務記録の管理、業務前後の点呼でのドライバーの健康状態やアルコール摂取量の確認、休憩・睡眠施設の管理、安全運転のためのドライバーへの指導・教育などです。
例えば、運送業や大型バスの運行などを行う事業所では、運行管理者が必要です。運行管理者は「貨物」と「旅客」の2種類に分かれており、貨物の場合は営業所ごとに運行管理者を配置しなければなりません。
一方、安全運転管理者は白ナンバー(自家用自動車)の運行管理を行います。
実際に行う仕事内容は、上記でも紹介したように、運行計画の作成や危険運転防止のための交代運転手の配置など、安全運転確保のために必要な業務となります。
また、安全運転管理者と運行管理者は資格要件が異なります。
安全運転管理者になるには、まず年齢が20歳以上である必要があります。(事業規模が大きく、副安全運転管理者を選任する場合は30歳以上)。さらに、以下のいずれかの条件を満たさなければいけません。
・運転管理の実務経験2年以上
・公安委員会主催の教習修了+実務経験1年以上
・公安委員会が認定したもの
運行管理者の資格要件は、
・5年以上の実務経験、かつ、所定の講習5回以上受講(貸切を除く)
・運行管理者試験に合格
(受験資格として1年以上の実務経験又は基礎講習受講が必要)
どちらも、法令を遵守しながら安全な運転、運行を確保するために非常に重要な役割となります。
運行管理者の業務効率向上に業務用ドラレコがおすすめ
業務が多岐にわたり業務量も多い運転管理者は、日々の仕事をこなすために疲弊してしまうことも多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決するために効果的なのが、業務用ドライブレコーダーです。
特に、近年採用する企業が急増している注目のシステムが「ナウト」と「無事故プログラム」。
どちらもインターネットやGPSなどを活用し、社用車の走行ルートや運転データを自動的に記録することが可能で、運転管理者の負担軽減と業務効率の大幅な向上が可能になります。
AIが危険を防止し運行管理業務も効率化「ナウト」
「ナウト」は、シリコンバレー発の自動車業界注目の企業、ナウト社が開発した次世代型のドライブレコーダーです。
前方カメラだけでなく、AI(人工知能)を搭載した車内カメラが付いているのが大きな特徴。
衝突事故原因の68%と言われているわき見運転などの危険をすかさず検知し、 リアルタイムでアラートを鳴らし事故を未然に防止することができます。
また、ナウト車載器では運転の速度、走行距離、走行経路を記録し、リアルタイムでサーバーに送信。
万が一、交通事故や危険運転が発生したときにも、前方と車内の映像を同時に記録し、位置情報などをすぐに把握することができます。
顔認識技術で、運行とドライバーを紐付けすることもでき、どのドライバーが何時間運転しているのか自動的に把握することが可能です。
また、シンプルで直感的に使いやすい運行管理ソフトウェアが搭載されており、誰でも操作・確認しやすい仕様。
運行管理者が運行状況を簡単に把握できるため、運転者に対して速度データや実際の映像などの証拠を元に指導することが可能です。
「ナウト」について詳しくはこちら
https://nauto.enabattery.co.jp/
3つの”見える化”で未然の事故を防止する「無事故プログラム」
「無事故プログラム」は、3つの”見える化”を実現し、事故を削減・防止する画期的な運行管理ドライブレコーダーです。
まず、危険運転を「見える化」。危険運転を感知すると、発生日時、危険運転種別、発生地点Web上で一覧表示し、運行管理者にメールで知らせます。
2つ目は、運転傾向を「見える化」。膨大な運転情報のデータがグラフ化され、運転データ(アイドリング時間、危険運転回数など)を元に、ドライバーの日々の運転を100点満点で評価・レーダーチャートで表示します。
3つ目は、運転指導内容を「見える化」。分析データや動画・静止画を講習に活用することができ、一人ひとりに合わせた適切な指導が可能になります。
各ドライバーの日々の運行状況(走行時間、走行距離、危険運転回数など)と危険運転イベント映像、運行経路を閲覧できます。表示される地図上の走行ルートから地点・時間を指定するだけで、SDカードを抜かずに最大4分間のアップロードが行えるので、運行管理者の業務もスムーズです。
「無事故プログラム」について詳しくはこちら
https://mujikoprogram.enabattery.co.jp/
まとめ
- 安全運転教育や自動車の安全な運行を管理する役割を担うのが「安全運転管理者」
- 安全運転管理者の業務は多岐に渡り、運行業務管理や運転者の労務管理、車両管理、事故防止対策なども行う
- 安全運転管理者は乗用車(白ナンバー)、運行管理者は業務用車両(緑ナンバー)を管理するのが大きな違いで、資格要件も異なる
- 運行管理者の業務効率アップに「ナウト」や「無事故プログラム」が効果的
(執筆者:酒井 恭子)