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最近話題のテレマティクスとは?導入の際に注意すべき点について解説

IT技術が進化し、多くの機能を実現できるテクノロジーとして、近年注目されているのがテレマティクスです。どんな技術で、どの業界でどのように活用されているのでしょうか?

この記事では、テレマティクスとは何か、その歴史や具体的な活用例、導入時にかかるコストなどについて詳しく解説。人気のテレマティクスシステムもご紹介します。

 

テレマティクスとは?

「テレマティクス(telematics)」とは、Telecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせた造語です。
具体的には、自動車に搭載するネット接続が可能な端末を使用し、さまざまなコンテンツを利用できるようにする情報サービス、またはシステム全般を指します。

例えばカーナビゲーションやドライブレコーダーのように、自動車などの移動体に通信システムを搭載することで、渋滞状況や天候、ニュースなどのリアルタイムな情報を提供するサービスなどがテレマティクスに含まれます。
各自動車会社で独自のテレマティクスサービスがスタートしている他、車両管理システムや運行管理システムと呼ばれるサービスも多くのメーカーで実用化されています。
テレマティクスを導入することで、交通事故の軽減、安全運転意識の向上、燃費向上など多くのメリットが期待でき、今後も多くの業界で活用されていくと予想されています。

 

テレマティクスの歴史

テレマティクスの歴史を遡ってみると、1990年代後半に政府主導で進められた「ATIS(アティス)」「VICS(ヴィクス)」が元祖だと言えるでしょう。

「ATIS」は1995年にサービスを開始。主に警視庁からの交通情報を配信し、ATIS対応車載端末で受信する仕組みでした。現在は携帯電話向け、パソコン向けに情報配信を行っています。

一方、1996年からサービスを開始した「VICS」は、国土交通省が推進したことで発展を遂げました。道路の渋滞情報や事故・故障車・工事の規制情報などを配信し、カーナビなどの車載機で受信・画面表示する仕組みで、現在も広く普及しています。

こうした政府主導型のテレマティクスとは別に、民間主導型のテレマティクスも1997年に登場。トヨタ自動車の「MONET(モネ)」、日産自動車の「コンパスリンク」、本田技研工業の「インターナビ」など、さまざまなサービスがスタートしました。

これらのサービスは次第に利用者数を伸ばし、次第にテレマティクスの市場は民間主導に移行していくことになります。

 

幅広い業界で活用されているテレマティクス

事業者向けのテレマティクスは、運送会社やタクシー会社、バス会社など業務用の車を多く保有する企業で導入がスタート。2015年頃からは一般の企業の社用車でも採用する事業者が増加し、幅広く活用されています。

業界により使われ方はさまざまですが、主な活用例として「自動車保険サービス」、「自動車メーカーサポート」、「車両管理システム」の3つのサービスの利用事例を解説していきます。

自動車保険サービス

自動車保険のテレマティクスサービスは、保険料の算定方法の基準として活用されています。
車両の走行距離に連動する方法と車速や急ブレーキなどの情報から事故リスクを分析する方法の2つの算定方法があり、保険料は従来算定方法を基準に、テレマティクスサービスで得た情報を、割引の対象として算定します。

また、車両が事故の衝撃を検知した際に、自動的にオペレーターへ連絡するサービスや警備会社へのかけつけサービスなどの便利なサービスも、テレマティクスサービスで使われる端末を利用し提供されています。

自動車メーカーサポート

自動車メーカーのテレマティクスサービスは、コネクティッドカーとも呼ばれ、車両の現在地を把握したオペレーターが、緊急時の対応などを音声を通して対話でサポートしてくれます。
さらに、施設名をオペレーターに伝えると、道のりをオペレータ-が遠隔でセットしてくれ、目的地の天気などの情報も知らせてくれるサービスもあります。

また、セキュリティーサービスが充実しており、車両の盗難時には不要なエンジン始動をスマホに通知したり、車両が動き出した際には追跡システムで現在位置の把握が可能。車両のロックを忘れた時には遠隔ロックも可能です。

車両管理システム

期日管理などの台帳管理をはじめ、車両から送信される情報を自動的にシステムに取り込み、車両情報の一元管理が可能です。走行距離などの情報を取り込み、運転日報を自動で作成することもできます。

車両の端末からリアルタイムで送信される位置情報を使用し、動態管理も可能。管理者は車両の位置をドライバーに電話で確認しなくても、システムの画面上で把握でき、無駄な手間が省けます。

 

人気のテレマティクスシステム5選

テレマティクスシステムは、多くのメーカーや企業からサービスが提供されています。
中でも、人気が高く多くの事業者で導入されているテレマティクスシステムを5つご紹介します。

AIが危険を防止し運行管理業務も効率化「ナウト」

シリコンバレー発の自動車業界注目の企業、ナウト社が開発したAI搭載ドライブレコーダーです。わき見運転などの危険をすかさず検知し、 リアルタイムでアラートを鳴らし事故を未然に防止することができます。
また、シンプルで直感的に使いやすい運行管理ソフトウェアが搭載されており、誰でも操作・確認しやすい仕様。
運行管理者が運行状況を簡単に把握できるため、運転者に対して速度データや実際の映像などの証拠を元に指導することが可能です。

「ナウト」について詳しくはこちら

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ITの力で事故をゼロへ。「無事故プログラム BIPROGY 」

ドライブレコーダーに先進のIT技術を駆使したテレマティクスを組み合わせることで、より価値の高いサービスを提供する法人向けの業務用ドライブレコーダーです。
危険運転を感知すると、運行管理者に、いつ・どこで・誰が・どのような状況で、どのような運転をしたかをメールでお知らせ。ドライバーの運転傾向も把握でき、データにもとづいた安全運転指導が可能になり、事故防止につながります。
また、リアルタイムの通知で運転状況を素早く把握できるので、万一の事故の際にも迅速に対応することができます。

「無事故プログラム BIPROGY」について詳しくはこちら
https://dr.biprogy.com/telematics.html

安全運転と業務効率化を実現「パイオニア ビークルアシスト」

専用のドライブレコーダーなどで取得した危険運転映像や運行データをクラウドに送信。運転評価メールや車載機からの危険運転警告により日々の安全運転指導を自動化し、継続的な事故削減を実現します。
また、精度の高い位置情報をもとに訪問先などを自動判定。日報・月報の自動作成が可能です。データの取得から分析まで膨大なデータを手軽に管理・活用でき、大幅な業務効率化が実現できる運行管理サービスです。

「パイオニア ビークルアシスト」について詳しくはこちら
https://mobility-service.pioneer.jp/

運転をAIとともに見守り、育てる「DRIVE CHAT」

ドライブチャートは、AIを駆使したドラレコが常に運転解析。事故の要因となりうる、脇見運転や一時不停止などの各種リスク運転行動を、自動的に検知し映像で記録します。
AIが検知した映像や解析データをもとに、安全管理に特化した専門人材が会社のチームとともに運転事故防止と業務効率化を支援。
運転行動もレポート画面でわかりやすく表示されるので、運転のクセを個人ごとに見える化できます。危険なシーンだけを動画でピックアップし、見たいときに素早くチェックすることも可能です。

「DRIVE CHAT」について詳しくはこちら
https://drive-chart.com/

運行管理がスピーディーに「富士通デジタコ トランストロン」

運送事業者やバス事業者で多くの導入実績があるシステムで、事務所からの車両位置確認、
走行中や積荷、荷卸、休憩などの状態も把握可能。急ブレーキや急ハンドルなどの危険運転時もアラートでリアルタイム通知されます。
また、帰庫と同時にデータがクラウドに送信されるので、ドライバーが戻らなくても事務所で日報印刷が可能となり、運行管理業務の効率を大幅に向上できます。
ドライブレコーダー動画は、「いつでも」「何度でも」「どこからでも」取得することができ、万が一の時にもすぐに前後関係を把握できるので安心です。

「富士通デジタコ トランストロン」について詳しくはこちら
https://www.transtron.com/itp/

テレマティクス導入にかかる費用は?

多くのメリットがあるテレマティクスシステムですが、導入するためにはやはりコストがかかります。
導入のために必要なコストとして、まず機器代、設置工事、初期登録費用などの初期費用が挙げられます。
価格はそれぞれのサービスによって異なりますが、平均的な目安として1台につき10,000円~30,000円程度がかかってきます。
また、導入後は通信料金、システム利用料などの月額費用が必要になります。こちらもシステムにより料金に違いがありますが、1台あたり3,000円程度が目安です。
その他、故障時の修理費用、SDカード等記録媒体の消耗品、車両の入替時の設置工事費用などが必要なこともあります。

車両台数が多ければ多いほどコストはかさみますが、テレマティクスサービスを導入することで、業務効率化・生産性の向上、燃費向上などの効果が期待でき、上手く活用することで導入コストを上回る運用の実現が可能です。
費用対効果を高めるために、各社のシステムをしっかりと比較し、十分に活用できるシステムを選択することが重要です。

まとめ

  • 「テレマティクス」とは、ネット接続が可能な端末を使用しコンテンツを利用可能にする情報サービスやシステム全般のこと
  • 1990年代後半にサービス開始した政府主導の「ATIS(アティス)」「VICS(ヴィクス)」を元祖に、民間でも多くのサービスが登場
  • 運送会社やタクシー会社、バス会社などをはじめ、一般企業の社用車でも幅広く活用されるように
  • テレマティクス導入には、初期費用と月額費用がかかるため、費用対効果が最大限に発揮できるシステム選択が重要

(執筆者:酒井 恭子)

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