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プロパンガス会社の車両管理を考える 第4回|ドライブレコーダーは新人教育に役立つ?データが安全運転文化を変えた事例

はじめに

AIドライブレコーダーやデジタルタコグラフについて説明すると、
「運転を監視される機械ですよね?」
という質問をいただくことがあります。

確かに、速度超過や急ブレーキなどの運転データを記録するため、
そのような印象を持たれる方も少なくありません。

しかし、私たちが20年以上にわたりLPガス会社や運送会社の現場で見てきたのは、
まったく違う姿でした。

データを上手に活用した会社では、
「監視」ではなく「安全運転を支える仕組み」として受け入れられ、
会社全体の安全文化が育っていったのです。

今回は、実際にあった運送会社での事例をご紹介します。

ドライブレコーダーを導入しただけでは何も変わらない

ドライブレコーダーやデジタルタコグラフを導入すると、

  • 速度超過
  • 急ブレーキ
  • 急加速
  • 急ハンドル

など、さまざまな運転データが記録されます。
しかし、機械を導入しただけでは安全運転は定着しません。

管理者だけがデータを見る。事故が起きたときだけ映像を確認する。
そのような運用では、現場の意識は変わらないからです。

本当に重要なのは、ドライバー自身がデータを確認し、
自分の運転を振り返ることです。

評価点数がドライバーの意識を変えた

ある運送会社では、運転日報に表示される評価点数を
ドライバー自身が毎日確認していました。
最初は管理者のための資料だった点数が、
いつの間にかドライバー同士の話題になっていったのです。

「今日は96点だった。」
「昨日は98点だった。」
「今月は95点を超えたい。」

そんな会話が自然に生まれるようになりました。
会社から競争を指示したわけではありません。
ドライバー自身が、自分の運転をより良くしたいと考え始めたのです。

90点を超える世界はとてもシビア

90点を超えると、大きな違反や危険運転はほとんどありません。
それでも点数には差が出ます。

例えば、
「あの道で65km/hまで速度が出てしまった。」
「あの交差点でブレーキが少し強かった。」
「もう少し早くアクセルを戻せば良かった。」

そんな細かな運転まで意識するようになります。
管理者に注意されるからではありません。
自分自身でもっと良い運転をしたい。
その気持ちが、安全運転につながっていました。

良い運転が会社全体へ広がっていった

その後、変化はドライバー個人だけでは終わりませんでした。
今度は営業所ごとの平均点を比べるようになったのです。

「今月は○○営業所が一番だった。」
「次はうちも負けないように頑張ろう。」

こうした前向きな競争が自然に生まれ、
会社全体の運転評価も少しずつ向上していきました。
誰かに管理されるのではなく、
仲間同士が良い運転を認め合う文化が育っていったのです。

成功した理由は機械ではなく「仕組み」

この会社が成功した理由は、
最新のドライブレコーダーを導入したからではありません。
高価なシステムだったからでもありません。

運転データをオープンにし、ドライバー自身が確認できる仕組みを作ったこと。
そして、そのデータを「叱るため」ではなく、
「良い運転を認めるため」に使ったこと。
それが、安全運転文化を育てるきっかけになりました。

データは、人を管理するためではなく、人を成長させるために使う。
その考え方が会社全体に広がっていったのです。

現場メモ

私には今でも忘れられない出来事があります。

デジタルタコグラフやドライブレコーダーを導入し始めた頃、
現場のドライバーさんからは決して歓迎されませんでした。

「こんなもの付けてどうするんだ!」
「ずっと監視されるじゃないか!」

導入説明に伺うたびに、厳しい言葉をいただくこともありました。
実際に、大声で怒鳴られたことも一度や二度ではありません。

それまでドライバーさんは、充填所を出発すれば、
自分の経験と判断で仕事を進めていました。
そこへ運転を記録する機械が取り付けられるのですから、
「監視される」と感じるのも無理はありません。
仕事が息苦しくなったと感じた方も多かったと思います。

しかし、時間が経つにつれて少しずつ変化が起きました。
ドライバーさん自身がデータを見るようになり、
運転日報を活用するようになると、考え方が変わっていったのです。

「これは監視じゃない。」
「自分たちの仕事を正確に記録してくれるものなんだ。」

そんな声を聞く機会が増えていきました。

事故やトラブルが発生したときも、「誰が悪いか」を探すためではなく、
「実際に何が起きたのか」を客観的に確認できるようになり、
ドライバーさんにとっても安心材料になっていきました。

この変化を目の当たりにしたとき、私は本当にうれしかったことを今でも覚えています。

技術が会社を変えたのではありません。
技術をどう受け入れ、どう活用するかという文化が変わったことで、
安全運転への取り組みも大きく変わっていったのです。

クラウド型運行管理システムの活用

クラウド型運行管理システムでは、
運転評価や危険運転のデータをリアルタイムで確認できます。
重要なのは、管理者だけがデータを見ることではありません。
ドライバー自身が結果を確認し、仲間と共有し、改善につなげることです。

データは監視のためではなく、安全運転文化を育てるために活用する。
その考え方が、会社全体の安全レベル向上につながります。

クラウド型AIドライブレコーダー ▶

運転評価をドライバー自身がその場で確認可能。「監視」ではなく「成長のためのデータ」として、安全運転文化づくりに活用できます。

初期費用無料ドライブレコーダー ▶

初期費用0円・月額制で導入できるドライブレコーダー。複数営業所の運転評価もまとめて比較・共有できます。

まとめ

安全運転は、AIやドライブレコーダーだけで実現できるものではありません。
大切なのは、そのデータをどのように活用し、
人が自ら成長できる環境を作るかです。

今回ご紹介した会社では、運転評価をオープンにすることで、
ドライバー同士が自然と学び合い、安全運転を目指す文化が生まれました。
その積み重ねが、会社全体の安全意識を高める大きな力になっていったのです。

次回予告 第5回

安全運転に変わると事故だけではない。会社全体に広がった5つの効果

安全運転の取り組みは、事故件数を減らすだけでは終わりません。
実際に車両管理担当者へ話を伺うと、

  • タイヤやブレーキが長持ちするようになった
  • エンジンへの負担が減り、車両の寿命が延びた
  • あおり運転と誤解される場面が少なくなった
  • ドライバーに気持ちの余裕が生まれた
  • 会社全体の雰囲気まで良くなった

といった、さまざまな変化があったそうです。次回は、安全運転が会社にもたらした”目に見える効果”について、実際の現場の声を交えながらご紹介します。

著者プロフィール

2005年より法人向けデジタルタコグラフ・ドライブレコーダー・AIドラレコの導入支援を開始。
これまで20年以上にわたり、運送会社、LPガス会社、自治体、スクールバス事業者など、多くの現場で車両管理と安全運転対策を支援。
現場経験をもとに、当サイトでは「業界ごとの車両管理」をテーマに情報発信を行っている。

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