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【公用車管理シリーズ・番外編】カーナビは「ただの道案内」ではない NHK受信料という盲点

最初に

これまで公用車の管理制度や委託運行の課題について取り上げてきましたが、
今回は少し毛色の違う話題を一つ、閑話として挟みたいと思います。
カーナビに搭載されたテレビ機能と、NHK受信料をめぐる問題です。

これは自治体だけの話ではありません。
社用車を保有する企業にとっても、無関係ではいられないテーマです。

カーナビは「受信設備」に当たる

NHK受信料の支払い義務は、放送法第64条第1項に定められています。
この条文がいう「受信設備」には、テレビ本体だけでなく、
ワンセグやフルセグの機能を持つ携帯電話、スマートフォン、そしてカーナビも含まれるというのが、NHKの見解です。

2019年3月には、最高裁がワンセグ機能付き携帯電話の保有者にも受信契約の義務が生じるとの判断を示しました。
同じ年の5月には、東京地裁が、ワンセグ機能を有するカーナビを自家用車に設置した場合についても、
同様に受信契約の義務が生じるとの判断を示しています。

「カーナビでテレビなんて見ていない」という主張は、契約義務を免れる理由にはならない、というのがポイントです。
放送法上の契約義務は、実際に視聴しているかどうかではなく、
受信できる機器を設置しているかどうかで判断されるとされています。

社用車・公用車は「1台ごとに1契約」

ここで見落とされがちなのが、自宅と社用車・公用車の扱いの違いです。
個人の自宅であれば、すでにテレビで受信契約を結んでいれば、
カーナビやスマートフォンにテレビ機能があっても、追加の契約は不要とされています。

しかし、事業所や自治体が所有する車両は話が別です。
社用車や公用車にテレビ受信機能を備えたカーナビが搭載されている場合、
車両ごとにNHKとの受信契約を結ぶ必要があるとされています。
1台1契約が基本で、複数の車両にテレビ機能があれば、それぞれに契約が必要になるということです。

各地の自治体で相次いだ契約漏れ

2024年秋、ある県でこの契約漏れが判明したことをきっかけに、
同様の事例が各地の自治体で相次いで見つかりました。
過去にさかのぼって受信料を支払うことになったケースも報告されています。

2026年7月には、全国知事会が、公用車分のNHK受信料について、
事実上の支払い免除を求める提言をまとめました。
提言では、対象となる機器はあくまで公務の遂行を目的として配備されたものであり、
テレビ視聴が主目的ではなく、契約が必要という認識自体が共有されていなかった、という趣旨が示されています。

実は「払いすぎ」ていた企業もある

一方で、これとは逆のパターンも報告されています。
ある国の機関では、全国の出先機関に配置していた業務用車両のうち、
1,217台にワンセグ対応のカーナビが取り付けられていましたが、
そのうち1台を除いては、業務中にテレビを視聴する必要のない車両だったとされています。
それにもかかわらず、2年間で732台分、合計547万円の受信料を支払っていたことが、
会計検査院の指摘によって明らかになりました。

同様に、払わなくてもよいはずの受信料を払っていた事例は、
民間の保険会社でも確認されています。

つまりこの問題は、「契約を忘れて後から追徴される自治体」だけでなく、
「必要のない契約を結んだまま払い続けている企業」という、
まったく逆方向の落とし穴も存在するということです。
社用車を保有する企業にとっても、決して他人事ではありません。

企業・自治体が確認しておきたいこと

この問題への向き合い方は、大きく2つの方向で考えられます。

一つは、テレビ受信機能を実際には使わないのであれば、
カーナビのテレビ受信機能そのものを無効化してしまうという方法です。
先述の国の機関でも、指摘を受けたあとにこの対応を行い、
受信契約の見直しにつなげています。

もう一つは、逆に、業務上テレビ視聴の必要がある車両については、
契約漏れがないかを棚卸しし、必要な契約をきちんと結んでおくという方法です。

いずれにしても、まず必要なのは「うちの車両にはそもそもテレビ受信機能付きのカーナビが何台あるのか」を
正確に把握することです。
台数が多い組織ほど、この棚卸し自体が後回しにされがちで、
気づいたときには何年分もの過不足が積み上がっている、ということになりかねません。

まとめ

カーナビのNHK受信料問題は、一見地味な話題に見えて、
「車両の設備を、組織としてどこまで把握できているか」という、
これまでのシリーズで取り上げてきたテーマと根っこは同じです。
車検や点検のスケジュールと同様に、
カーナビの受信設備についても、定期的な棚卸しの対象に加えておくことをおすすめします。

著者プロフィール

山口 功司(やまぐち こうじ)
恵那バッテリー電装株式会社代表取締役
1970年生まれ。岐阜県出身 愛知工業大学工学部卒業
株式会社カナデンを退職後、家業である同社に入社。
2007年より、法人向けドライブレコーダーの販売を開始。
年間1000台以上販売を続けている。

恵那バッテリーでは、
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