社用車運転中にあおり運転された時の対処法とは?ドライブレコーダー設置が効果的
2022/08/17
近年、あおり運転によるトラブルが社会問題化しています。厳罰化され、取り締まりが強化された以降もその被害はあとを絶ちません。
この記事では、あおり運転の具体例や実際に被害にあった時に身を守るための具体的な対処方法を紹介。あおり運転対策として効果的なドライブレコーダー設置の重要性についても解説します。
あおり運転とは?
「あおり運転」とは、走行中の車に対し危険な行為をする運転のことです。 前方の車との車間距離を詰めてドライバーを焦らせたり、不要な急ブレーキをかけ後方の車が衝突しそうになる走行をしたり、急な進路変更や蛇行運転をしたりするなどの行為があおり運転に該当します。
あおり運転の被害は以前から報告されていましたが、2017年以降あおり運転による死亡事故などが多発し社会問題化したことで、2020年に道路交通法が改正されました。
あおり運転に対する罰則が新たに定められ、他の車両の通行を妨害する目的で危険行為を行うことは取締りの対象となり、最大で懲役3年の刑に処せられます。 また、著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられ、運転免許を取り消される場合もあるなど、あおり運転を厳罰化するために大幅な改正が行われています。
▼参考 警察庁「道路交通法の一部を改正する法律案(概要)」 https://www.npa.go.jp/laws/kaisei/houritsu/200610/00gaiyou.pdf
あおり運転の具体例 とは?
あおり運転に該当する危険な運転には、いくつかのパターンがあります。実際にどのような行為があおり運転とみなされるのか、具体例を見ていきましょう。
対向車線へのはみ出し
センターラインをまたいで対向車線にはみ出す運転は、大きな事故につながるおそれのある危険な行為です。 後続車に対し不安を与えるだけでなく、対向車を脅かすために故意にはみ出す場合もあり、不特定の車を対象とするあおり運転といえるでしょう。
車間距離を詰める
前方を走る車の後方から車間距離を詰めぴったりと接近しての走行は、ドライバーへ恐怖心を抱かせる、あおり運転の代表的なものと言えるでしょう。 適切な車間距離の保持については道路交通法第26条で定められており、車間距離を詰めることは「車間距離保持義務違反」となるため、違法性も高い行為となります。
不要な急ブレーキを踏む
危険回避目的ではなく急ブレーキを踏む行為もあおり運転の一つです。危険回避などの場合を除き、急ブレーキをかけることは道路交通法第24条で禁じられています。 後続車に対する嫌がらせや後続車による追突を誘発させるために行われることが多く、非常に危険な行為です。
危険な追い越し
強引な追い越しや、追い越しが禁止されている場所で追い越しをするような行為も、あおり運転とみなされます。 道路交通法第20条では「追い越しをする際は、一番右側の車線を走行する」と定められており、危険な状況での追い越しは、「追越し違反」となります。
急な加減速や幅寄せ
高速道路の最低速度は時速50kmですが、故意に時速50km以下で低速走行をする事例もみられます。逆に急に法定速度を大幅に超えて加速するような行為もあおり運転となります。 隣の車線からわざと側面の距離を詰めたりする幅寄せ運転も非常に危険です。
急な進路変更や蛇行運転
後続車や並走車の前で急に進路を変える運転も、事故を誘発するあおり運転です。 道路交通法第26条の2では、進路変更について「車両は、みだりにその進路を変更してはならない」と定められており、非常に危険な違反行為となります。 後続車の進行を妨げるような蛇行運転も、ドライバーに不安感を与え、重大な事故につながる可能性があります。
社用車運転中にあおり運転をされた時の対処法
では、実際にあおり運転を受けてしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。 対応の手順と注意点を、4つのポイントにわけて解説します。
①後続車に道を譲る
あおり運転をされていると感じた場合は、すみやかに後続車に道を譲ることが最適な対処法です。 一般道では、路肩やコンビニ駐車場などのスペースに停車し、あおり運転をする車を先に行かせます。 高速道路であおられた場合は、路肩への停車はかえって危険なので、車両を第一走行レーンに移動させ、後続車へ先に行くよう促しましょう。
②安全な場所に移動して通報
すぐに110番へ通報することも、有効な対処法です。現在は、警察もあおり運転を強く警戒しているので、通報を受け現場に急行してくれる可能性が高いです。 同乗者がいる場合は、あおられていると感じたらすみやかに通報し、同乗者がいない場合は、まず安全な場所に移動することを優先します。 一般道では駐車場やコンビニ、スーパーマーケットに避難し、高速道路の場合はパーキングエリアやサービスエリアなど、安全を確保できる場所に一旦車を止めた上で通報しましょう。
③窓やドアのカギを閉める
万が一、停車させられた場合は窓やドアのカギを閉め、決して窓を開けず車外に出ないようにします。 実際に起きたあおり運転の事件でも、窓を開けた途端に暴行を受けた事例があります。挑発行為や攻撃をされても相手にせず、警察が駆け付けるまで待ちましょう。 威嚇されて頭にきたり、理不尽な態度にイラ立つこともあるかもしれませんが、できる限り冷静でいるように心がけ、自分の身を守ることを最優先に考えて対応することが大切です。
④動画や画像で記録を残しておく
相手の行動や様子をスマートフォンなどで撮影しておくことも有効な対処法です。 どんな危険運転行為があったか、撮影した映像があれば、警察が捜査する上で重要な証拠になります。相手の車のナンバーと車種もしっかりと控えておきましょう。
あおり運転の抑止にはドライブレコーダー設置が有効
先の項目で解説した通り、あおり運転の対策には動画や画像で記録を残すことが重要です。 あおり運転被害にあった時、同乗者がいればすぐにスマートフォンで録画できますが、1人で運転している場合には対応が難しいでしょう。 運転中にスマートフォンを操作する、いわゆる「ながらスマホ」は、道路交通法第71条でも禁止されており、緊急事態でも撮影しながらの運転は非常に危険です。 そこで、あおり運転対策として有効な手段がドライブレコーダーの設置です。
ドライブレコーダーの重要性
あおり運転による悪質な事故が社会問題化する中、あおり運転の被害を客観的に証明する資料として、ドライブレコーダーの重要性が注目されています。
ドライブレコーダーは、道路で起きた状況を正確に録画することが可能で、相手が現場から立ち去ってしまったとしても、警察へ提出するための重要な証拠となります。 裁判になった場合にも、鮮明なドライブレコーダーの映像が残っていれば、極めて証拠価値の高い資料として扱われる可能性があります。ドライブレコーダーを装着せずに、被害にあってしまった場合、警察や加害者に明確な証拠を示すことができず、当事者双方の過失割合が分からなくなったり、解決までにかなりの時間がかかったりすることもあります。 ドライブレコーダーが、あおり運転から身を守るための有効な切り札になるのです。
国土交通省の調査によると、2019年時点でのドライブレコーダーの装着率は45.9%。普及率は年々高まっています。
▼参考 国土交通省「自動車用の映像記録型 ドライブレコーダー装置について」 https://www.mlit.go.jp/monitor/R1-kadai01/24.pdf
あおり運転対策にもおすすめのAI搭載ドラレコ「ナウト」
あおり運転への対策としておすすめしたいドライブレコーダーが「ナウト」です。 「ナウト」は、シリコンバレー発の自動車業界注目の企業、ナウト社が開発した次世代型のドライブレコーダー。 前方カメラだけでなく、AI(人工知能)を搭載した車内カメラが付いているのが大きな特徴。わき見運転などの危険をすかさず検知し、 リアルタイムでアラートを鳴らし事故を未然に防止します。
さらに、ナウトはあおり運転(車間距離不保持)に対してもリアルタイムに検出し、車内で警告を出すことができます。 運転の速度、走行距離、走行経路を記録し、随時サーバーに送信。あおり運転により事故などに巻き込まれた場合も、トラブル発生時の映像を自動でアップロードできます。 前方映像、車内映像、音声、速度、位置情報などのデータを、運行管理者もすぐに把握することができ、万が一の時にも安心です。
「ナウト」について詳しくはこちら
https://nauto.enabattery.co.jp/
まとめ
- 「あおり運転」とは、走行中の車に対し危険な行為をする運転のこと
- あおり運転の対処法は、道を譲って安全な場所で通報、窓やドアのカギを閉めて動画などで記録を残すこと
- あおり運転への対策としては、ドライブレコーダーの設置が最も有効