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【公用車管理を考えるシリーズ・第4回/全7回】”たまたま気づけた”では済まされない 公用車の不適切利用はなぜ見過ごされるのか

2026/08/17

更新日:2026年9月8日

業務用ドラレコの活用

最初に

これまで3回にわたり、公用車の管理制度の違いや、
委託運行における情報共有のあり方について考えてきました。
今回は少し切り口を変えて、「不適切な利用」がなぜ発生し、
なぜ発覚まで時間がかかってしまうのか、という点を取り上げます。

あらかじめお伝えしておきたいのは、この記事の狙いは、
特定の職員や自治体を非難することではないということです。
むしろ、多くのケースは「悪意」よりも「うっかり」や「気づかれない環境」が背景にあります。
この点を踏まえたうえで、どうすれば見過ごされにくい仕組みを作れるかを考えてみます。

実際にあった事例

自治体における公用車をめぐる懲戒処分は、これまでも報道でたびたび取り上げられてきました。
その内容を見てみると、いくつかの共通したパターンがあることに気づきます。

運転免許の更新忘れ

運転免許の有効期限が切れていることに本人が気づかないまま、
公用車の運転を続けていたというケースが報告されています。
ある自治体では、職員間で免許の期限を確認したことをきっかけに発覚し、
数ヶ月にわたって期限切れの状態で公用車を運転していたことが明らかになりました。
本人に悪意があったわけではなく、更新の案内を見落としていたことが原因とされています。

車検切れの車両を使用していたケース

公用車そのものの車検が切れていることに気づかないまま、
業務で使用され続けていたという事例も報告されています。
車両台数が多い自治体ほど、一台一台の状態を個別に把握することが難しくなり、
車検の期限管理が漏れてしまうリスクが高まる傾向にあります。

単独事故を報告しなかったケース

公用車での軽微な事故を、所定の手続きを踏まずに報告しなかったことが
後になって発覚し、懲戒処分となった事例もあります。
「これくらいなら報告しなくてもいいだろう」という個人の判断が、
結果として組織のルール違反になってしまうパターンです。

なぜ「気づかれない」のか

これらの事例に共通しているのは、
いずれも「悪質な意図」というより「日常業務のなかで見落とされた」という点です。
そして、その背景には共通した構造があります。

多くの自治体では、公用車の運行記録や点検状況が、
紙の日報や、職員本人の申告にもとづいて管理されています。
これは決して怠慢というわけではなく、多くの組織で長年続いてきた、ごく一般的な管理方法です。
しかし、記録が本人任せになっている以上、
本人が気づいていないことは、記録にも残らないという限界があります。

免許の更新や車検の期限は、本来であれば車両ごとに一覧化して管理すべき情報ですが、
台数が多くなるほど、個々の職員の自己管理に頼らざるを得ない場面が増えていきます。
これは、特定の自治体や職員の問題というより、
多くの組織が抱える構造的な課題だと言えるでしょう。

客観的な記録が果たせる役割

こうした見落としを完全にゼロにすることは難しいかもしれません。
しかし、日々の運行記録や車両データを、個人の申告だけに頼らず、
客観的な形で自動的に記録・蓄積できる仕組みがあれば、
見落としに気づくタイミングを早めることができます。

たとえば、走行データが自動的に記録される仕組みがあれば、
「いつ、どの車両が、どれだけ稼働したか」という実態を、
本人の報告を待たずに把握することができます。
これは、職員を監視するためというより、
うっかりのミスを、うっかりのうちに気づける環境を作るためのものです。

クラウド型AIドライブレコーダー ▶

車両ごとの稼働状況を自動で記録。本人の申告に頼らず、運行実態を客観的に確認できます。

無事故プログラム ▶

日々のデータを継続的に蓄積することで、うっかりのミスにも早い段階で気づける体制づくりを支えます。

まとめ

公用車の不適切な利用は、多くの場合、悪意ではなく見落としから生まれます。
だからこそ、「気をつけましょう」という注意喚起だけでは限界があります。
本人の申告に頼らず、客観的なデータで運行実態を把握できる仕組みを整えることが、
職員個人にとっても、組織にとっても、無理のない管理体制につながるはずです。

連載記事一覧

第1回 公用車は一枚岩ではない 乗用車・ごみ収集車・バスで異なる管理のルール https://enabattery.co.jp/useful/1949/(8月10日(月)配信)
第2回 ”報告を受ける”だけの管理でよいのか スクールバス事故が投げかけた問い https://enabattery.co.jp/useful/1951/(8月12日(水)配信)
第3回 ”言った・言わない”をなくす 公用車管理に客観性を持たせる方法 https://enabattery.co.jp/useful/1944/(8月14日(金)配信)
第4回 ”たまたま気づけた”では済まされない 公用車の不適切利用はなぜ見過ごされるのか(8月17日(月)配信)
第5回 ルールはあるのに、証明する手段がない 自治体の公用車規程を読み解く https://enabattery.co.jp/useful/1956/(8月19日(水)配信)
第6回 自己申告に頼らない 運転免許確認とカギ管理の仕組み化 https://enabattery.co.jp/useful/1958/(8月21日(金)配信)
第7回(完結編) 管理を”プロに任せる”という選択 車検切れをなくす仕組み https://enabattery.co.jp/useful/1960/(8月24日(月)配信)

著者プロフィール

山口 功司(やまぐち こうじ)
恵那バッテリー電装株式会社代表取締役
1970年生まれ。岐阜県出身 愛知工業大学工学部卒業。株式会社カナデンを退職後、家業である同社に入社。
2000年前後の黎明期からドライブレコーダー市場を見続け、2007年より法人向け販売を開始。これまでの取り付け実績は数万台。2009年からは「無事故プログラム」の全国展開に携わり、現在は同事業が売上の4割を占めるまでに成長した。北海道から沖縄まで、全国どこでも対応する取付体制を自ら築いてきた。

恵那バッテリーでは、
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