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【公用車管理を考えるシリーズ・第6回/全7回】自己申告に頼らない 運転免許確認とカギ管理の仕組み化

2026/08/21

更新日:2026年9月8日

業務用ドラレコの活用

最初に

前回、公用車の不適切利用の多くは「悪意」よりも「見落とし」から生まれるとお伝えしました。
今回は、その見落としが起きやすい2つの具体的な場面、
「運転免許の確認」と「車のカギの管理」について、
どうすれば個人の記憶や自己申告に頼らずに済むかを考えてみます。

アルコールチェックと免許確認は「セット」で考える

2022年以降、白ナンバー車両を使用する事業所には、
運転前後のアルコールチェックの実施と記録の保存が義務付けられています。
多くの自治体でも、この対応が進んでいるところだと思います。

ここで一歩進めて考えたいのが、アルコールチェックの仕組みに、
運転免許の有効性確認も同時に組み込めないか、という視点です。
実際に、鍵の受け渡しとアルコールチェックを一体化した管理機を導入し、
利用のたびに職員証などによる本人認証を必須にしている事例もあります。
「乗る前に必ず通る入り口」を一本化することで、
アルコールチェックだけでなく、免許証の有効期限や資格の確認も、
同じタイミングでチェックできる仕組みが作れます。

免許の更新忘れは、本人が「まだ大丈夫」と思い込んでいることがほとんどで、
自己申告に任せている限り、本人が気づくまで発覚しません。
乗車のたびに機械的な確認が挟まる仕組みであれば、
本人の記憶力に依存せずに、見落としを防ぐことができます。

カギの管理という、もうひとつの盲点

公用車の管理を考えるとき、車両そのものや運転者に注目が集まりがちですが、
「カギをどう管理するか」も、実は見過ごされやすい論点です。

多くの自治体では、公用車のカギは管財課や庁舎の鍵置き場で、
台帳への記入と引き換えに貸し出される運用が一般的だと思います。
しかし、この運用にはいくつかの弱点があります。

「誰が、いつ使ったか」が曖昧になりやすい

台帳への手書き記入は、記入漏れや記入ミスが起きやすく、
複数の車両が同時に出払っている状況では、
正確な利用履歴を後から追うことが難しくなります。

スペアキーの管理が手薄になりがち

スペアキーは日常的に使う機会が少ないため、
決まった場所にまとめて保管され、そのまま管理が形骸化しやすいという性質があります。
誰が持ち出したか記録されないまま複製が作られていたり、
紛失に気づかないまま放置されてしまうといったリスクも指摘されています。
メインキーと同じくらいの重要性を持つ資産であるにもかかわらず、
「予備だから」という理由で管理の優先順位が下がってしまいがちです。

カギ管理を仕組み化するという発想

これらの課題に対しては、カギそのものを電子的に管理する「鍵管理システム」を導入し、
職員証などによる個人認証がなければカギを取り出せない仕組みにする、という対策があります。

実際に、こうした鍵管理機を導入したことで、
車両ごとの使用履歴が自動的に記録されるようになり、
紙の運行記録を提出する必要がなくなったという事例も報告されています。
さらに、車両の稼働状況が正確に把握できるようになったことで、
空き時間の見える化にもつながり、公用車の稼働率そのものの改善に役立ったという効果もあったそうです。

このような仕組みは、「不正利用を疑う」ための監視ツールというより、
むしろ「誰でも起こしうる見落とし」を、記録という形で早期に拾い上げるための土台と捉えるのが実態に近いと思います。

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乗車のたびの記録を自動で蓄積。カギの管理や免許確認の仕組みと組み合わせることで、利用の入り口を一本化できます。

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日々の利用データを継続的に蓄積し、免許や車両の状態にかかわる見落としにも早く気づける体制づくりを支えます。

まとめ

運転免許の確認も、カギの管理も、
「気をつけましょう」という呼びかけだけでは、どうしても限界があります。
乗車の入り口となる場面に、機械的な確認のステップを組み込むことで、
本人の記憶や善意に頼らない管理体制を作ることができます。
次回は、車検切れの車両を使わせないための仕組みとして、
車両管理そのものを専門の企業に任せるという選択肢について考えてみます。

連載記事一覧

第1回 公用車は一枚岩ではない 乗用車・ごみ収集車・バスで異なる管理のルール https://enabattery.co.jp/useful/1949/(8月10日(月)配信)
第2回 ”報告を受ける”だけの管理でよいのか スクールバス事故が投げかけた問い https://enabattery.co.jp/useful/1951/(8月12日(水)配信)
第3回 ”言った・言わない”をなくす 公用車管理に客観性を持たせる方法 https://enabattery.co.jp/useful/1944/(8月14日(金)配信)
第4回 ”たまたま気づけた”では済まされない 公用車の不適切利用はなぜ見過ごされるのか https://enabattery.co.jp/useful/1954/(8月17日(月)配信)
第5回 ルールはあるのに、証明する手段がない 自治体の公用車規程を読み解く https://enabattery.co.jp/useful/1956/(8月19日(水)配信)
第6回 自己申告に頼らない 運転免許確認とカギ管理の仕組み化(8月21日(金)配信)
第7回(完結編) 管理を”プロに任せる”という選択 車検切れをなくす仕組み https://enabattery.co.jp/useful/1960/(8月24日(月)配信)

著者プロフィール

山口 功司(やまぐち こうじ)
恵那バッテリー電装株式会社代表取締役
1970年生まれ。岐阜県出身 愛知工業大学工学部卒業。株式会社カナデンを退職後、家業である同社に入社。
2000年前後の黎明期からドライブレコーダー市場を見続け、2007年より法人向け販売を開始。これまでの取り付け実績は数万台。2009年からは「無事故プログラム」の全国展開に携わり、現在は同事業が売上の4割を占めるまでに成長した。北海道から沖縄まで、全国どこでも対応する取付体制を自ら築いてきた。

恵那バッテリーでは、
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